- 転換点 #4

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「そうして今のあなたは四十過ぎよ、 思い込みが強すぎるのよね、 もっと気楽に生きなさいな」  道代は、 背伸びして、 ぱんぱんと彼の肩を叩く。 「はじまりは、 憧れだったと思うんですよ、 ――いえ、 あの子の初恋だったんでしょうね、 嬉しかったんでしょうねえ……。 昨晩、 あんなに泣くなんて。 私もびっくりしたわ」  慎一郎君、 と道代は向き直って言う。 「過去の出来事は、 なかったことにはできません。 でも、 私も長くあなたの事を見ていますから、 どんな人なのか、 私なりに判断できるの。 だからお願い、 あの子を、 宜しくお願いします。 大切にしてやって下さい。 強情で困った子だけれど、 一途に、 あなたを心から慕っているの。 本当に……」
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