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「秋良君は、
無垢です。
それは信じて下さい。
でも、
やましい気持ちで彼女に接しかけたのは事実です。
だから――」
「自分は潔白だとごまかさないのね、
不器用なあなたらしい。
最初はね、
あまりあの子があなたに執着するから、
本気で疑ったの。
秋良がひとりで勝手に動かないよう、
見張っていたんですよ。
けれど……あの子の態度は何というか……」
「尻尾振って甘える仔犬のようで、
無下な仕打ちはできませんでした、
大切に慈しむことしか……。
反面、
僕は、
目的のためには手段を選ばない人間なのだと思い知りました。
だから、
秋良君の気持ちは昔からわかっていましたが、
応えられなかったんです、
彼女に相応しい人間になるまでは、
と」
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