- 転換点 #4

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「あなたが、 心底秋良を大切にしているのはよっくわかっているのよ。 いつだったか、 酔ったあの子を連れて帰ってきた時、 背負ったあの子に背中で吐き戻されても、 真っ先に案じたのはあの子の様子だったでしょ。 自分が汚れても気にしないなんて、 実の男親でもなかなか。 あの一件で見直したんですよ――」  そして、 元来た道をぱたぱたと小走りに帰って行った。  あの人は、 あんなに小さかったのか、 手や顔に皺が刻まれ、 髪も白髪が半分以上混ざり、 背中が丸くなった……。  自分も中年なのだから、 まわりの人も皆等しく歳を取る。 当然のことだ。  慎一郎は、 義母になる人の後ろ姿に深々と一礼した。
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