- 転換点 #4

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 手を伸ばして、 指輪を眺めていた秋良の姿が、 子供の頃の様子とかぶった。  人は避けられない事があるんだな、 いろいろと――  彼女とは人生が重なる時が何度も何度もあった。 でも、 拒んだのは自分。 これからは、 擦れ違わないように結びつきたい、 もう、 彼女を泣かせたり悲しませたくない。  毎月は難しくても可能な限り通っていた母の月命日。 あの人が好きだったのは花なので、 辛気くさいと嫌っていた線香は持たず花だけ、 気の利いた花束を買う時もあれば、 間に合わなくて、 庭の花を摘んで(というよりむしって)持って行く時も、 今日のようにコンビニエンスストアで仏花を買う日もあった。 月並みな仏花は一番嫌うことだろう、 「女心がわかっていない」とか「横着者」とかなじられそうだが、 今日は許してもらおう。  
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