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人生は一日二日にして変わることもあるのだろうか。
人は?
僕はどうだろう、
少なくとも――昨日と今日では状況は劇的に変わった。
兄に壊れた、
と言われたが、
実際、
潰しまくっている気がする。
かくあるべしと作った自分の表向きの姿、
性格。
人生設計も。
多分、
もっと変わるだろう。
快感だ。
でも――少しだけ、
疲れた。
母の日記に目を通し終わって、
慎一郎は膝上に置いた日記帳を閉じ、
息を継いだ。
外は陽が傾き、
夕日が紅く差し込んでいる。
今日も一日が終わる。
多くの人生に関わったこの二日間、
自分も秋良と生きていく。
ここで、
この家で、
人並みに家庭を持ち、
父母のように子を作り、
育て、
末を広げたい。
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