ー 6 ー 茉莉花の日記 #2

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 着替えをさせて、 時々体温を測って。 水分を取らせて汗を拭く。 彼が辛そうだから看病したいというのもあったけれど、 心配で、 側を離れられない方が大きかった。  昨日、 長々と話して疲れさせたのかしら、 今日も動き回っていたみたいだし――  私は、 今朝方、 気が付いたら布団に入っていて、 母に起こされるまで熟睡しきっていた。 彼は、 どうやって過ごしていたのか。  ごめんなさい、 慎一郎さん。 私、 いつも守られてばかりだわ。  汗が浮く首筋を乾いたタオルで拭こうとした時、 不意に手を掴まれた。 「秋良――か?」 「ええ、 私です」
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