ー 6 ー 茉莉花の日記 #2

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「……今は何時だ? 何故ここにいる」 「夜の十時を回ったところ。 あなたの様子が普通じゃないからここにいます。 心配ですもの」 「君のご両親も心配する、 帰りなさい」 「家には付き添うって電話してあります。 今日は私が看ていますから、 あなたは寝んで」 「そういう意味じゃない」  一瞬、 慎一郎の目に剣呑な光が浮かんだと思った時、 握られた手を強く引き寄せられ、 秋良は彼に抱き留められた。 病人でも力は強い、 いや、 だから、 加減ができない。 「言ったろう、 僕は男だと」   あっさり彼女は彼に組み敷かれ、 今は上からのし掛かられていた。  とても素早かったので、 秋良は面食らう。 力は強い。 でも、 それ以上に身体は熱い。 この熱さは、 病人の熱だ。
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