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これで五つの石の謎は解けた。
「やはりダイヤモンドだったのか……」
慎一郎は唸る。
指輪のサイズが小さめなのも、
デザインが少し古いのも、
元は母の祖母、
慎一郎にとっての曾祖母の品だったのなら得心がいく。
色付きダイヤモンドの存在は聞いたことがないが、
道代のアドバイス通り鑑定を頼んだ方がいいのだろうか。
慎一郎出産後、
没交渉だった実家の、
すぐ上の兄とは時折連絡をとっていたらしい。
なので、
母の居場所は兄の友人である父に知られるところとなった。
今日会った老人の話とも合う。
彼(慎一郎にとっては伯父か)なりの罪滅ぼしだったのだろう。
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