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回りくどい――。
慎一郎は呆れる。
想い合うふたりが、
お互いに心許すまで、
ここまで手続きを踏んで、
相手を傷付け、
自分も傷付かないとならないのか。
「素直に言えば良かった、
好きです、
と」と言ったのは秋良だった。
端から見ると、
自分こそその回りくどい、
面倒くさい人間の好例ではないか。
両親の言い合いの期間は日記ではわからないが、
大した日数ではないだろう、
自分は何年だ? 人のことは言えない。
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