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後は、
だいたい慎一郎も知る通り、
事実婚に近い関係で、
妙な三人家族の日々が続いた。
彼は子供だったから気付かなかったが、
時折、
正妻との離婚・母との再婚の話が父から出されており、
その度母は国内外へ出奔して行方をくらましていたようだ。
慎一郎を連れて。
気紛れであちこちを旅させられていたのではなかったのか。
母の心情はわからなくもないが、
ここはひとり取り残された父に同情した。
子供の頃、
何の気なしに訊いた、
『二号の子供』に関する思いも綴られていた。
二度目に訊いた時、
母は泣いた。
二度目の方が堪えたとあった。
彼も、
これは心に痛みを覚えた。
子供は時として残酷だ。
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