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ー 茉莉花の日記 #3
彼に、
額に掛かる髪を撫でつけられ、
生え際に口吻を落とされる。
あ、
と漏れた声が、
自分でも信じられないくらい甘くて、
彼女は更に顔を赤くした。
「秋良……」
腕の下で、
身を固くしている彼女は、
とても可愛くて、
昨晩とは違った思いが湧き上がる。
弱った、
朝っぱらから。
けれど、
と瞼の上に唇を寄せ、
彼は言った。
「君が、
欲しい」
彼女の頬が上気する。
初めて見せる女の顔。
「綺麗だ」
呟いて、
抱く腕に力を込める。
「私……」
「今、
欲しい、
君を、
抱きたい」
秋良、
と囁く声音は、
媚薬のようだ。
「私も……」
言って、
彼女は彼の肩に熱い頬を擦り寄せる。
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