ー 茉莉花の日記 #3

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「これから、 私が教えて差し上げるわ。 お偉い先生様に。 たくさん」 「宜しく頼むよ」  最近新調したという眼鏡の奥から彼女を見る瞳は温かい。  今日で日曜も終わり、 私は明日から仕事、 彼も学校へ。 私は、 同僚に婚約したと言えばいい。 相手は見合い相手ではないけれど。 でも彼は、 方々から質問攻めにあうのではないかしら。 モテて困るかもね。 「そうか、 香りが強めの花を供えれば良いんだな、 線香嫌いのあの人には喜ばれるだろう」  ふたりで花を供え、 黙祷する。 おそらく、 この行為も、 両親には嫌がられるかも知れないが、 僕の嫁さんを連れて来たのだから、 今日のところはお許し願おう。  
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