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「あなたが人を招くのに恥ずかしくない場所にして下さい、
後はどうとでも」
「ふむ、
では……」
と、
彼が速攻で挙げた会場名は、
彼女の見合い場所で、
結婚式場としても格式のある著名なところだったが、
秋良は強烈な「イヤ!」を返した。
慎一郎さん、
口には出さないけれど、
本当は怒っていたのでは? お見合い話、
と彼女は思う。
秋良のお見合い事件は、
ふたりの間では折に触れてチクリと刺される話題になりそうだ。
「週末も終わりだな」
彼は天を仰いで言う。
彼女に合わせて歩調をゆっくりとる彼とふたり、
歩きながら。
「初めてばかりの出来事でした」
パンプスのつま先で小石を弾いて、
秋良は言う。
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