ー 7 ー 慎一郎と 秋良の愛 #2

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 と名残惜しそうに帰る業者を見送りながら、 一同はひたすら呆けていた。  秋良はぽつりともらしたものだ、 「あなたのお母様の御実家は、 一体何者なの?」  と。 「僕もわからないんだよ」  と慎一郎もポカンとしていた。 これは、 是非ともご老体に訊かねばなるまい。 「高遠のお嬢様なら、 あるいは……」  と、 宝石店の店長は一人納得していた。  その日以降、 身の危険すら招きかねないレッド・ダイヤモンドは一旦封印された。  新たに贈られた婚約指輪にと、 店頭に並んでいた控え目な石を選ぼうとすると、 今度は秋良の母が言う。
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