23人が本棚に入れています
本棚に追加
面白い色の石ですね、
とサイズ直しを依頼した宝飾店の店長は言い、
秋良の指に合わせた指輪の石は、
世にも珍しいファンシー・ダイヤモンドだった。
無色透明ではない色が付いたダイヤモンドは、
稀少性によってランクが変わる。
格下とされる黄色いダイヤも、
カナリアイエローのように鮮やかであれば無色のダイヤより高値で取引される。
色も、
赤、
青や緑、
紫にピンクと、
とりどりに存在する。
見慣れないものの目には、
ヒーリングストーンか宝石の色が落ちたグレードの低いもののように映るが、
価格と価値は桁違いだ。
――ということを、
今回、
ふたりは学んだ。
秋良にと選んだ、
慎一郎の母が遺した赤のダイヤは、
トップクラスの稀少性を誇るレッド・ダイヤモンドの中でも値段を付けられない程の代物なのだという。
最初のコメントを投稿しよう!