ー 7 ー 慎一郎と 秋良の愛 #2

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 面白い色の石ですね、 とサイズ直しを依頼した宝飾店の店長は言い、 秋良の指に合わせた指輪の石は、 世にも珍しいファンシー・ダイヤモンドだった。  無色透明ではない色が付いたダイヤモンドは、 稀少性によってランクが変わる。 格下とされる黄色いダイヤも、 カナリアイエローのように鮮やかであれば無色のダイヤより高値で取引される。 色も、 赤、 青や緑、 紫にピンクと、 とりどりに存在する。 見慣れないものの目には、 ヒーリングストーンか宝石の色が落ちたグレードの低いもののように映るが、 価格と価値は桁違いだ。  ――ということを、 今回、 ふたりは学んだ。    秋良にと選んだ、 慎一郎の母が遺した赤のダイヤは、 トップクラスの稀少性を誇るレッド・ダイヤモンドの中でも値段を付けられない程の代物なのだという。
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