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このことを、
秋良は乗務中に、
客の反応で知らされた。
彼女はアッパークラスの担当だったので、
乗客もそれに相応しい人間が乗るのが通例だ。
その中で何人かが、
彼女の指に目を留め、
おや、
という顔をする。
そのことが続いたある日、
乗客の一人に指を掴まえ、
激しく詰め寄られた時に、
ただものではない、
と思った。
しまいには指ごと口にくわえ込まれたので、
「いやーっ!!!」と思わず悲鳴を上げてしまった。
彼女の声に振り返った乗員乗客は、
腕をぶんぶん振り回す秋良と、
その指に食らいつく客の頭ががくがく揺れる様を、
呆気にとられて見守っていた。
客の殺気に近い気迫に圧された時は、
仕事を忘れて恐怖感に青ざめた。
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