23人が本棚に入れています
本棚に追加
「婚約指輪は男の甲斐性でしょ! うちの娘は安くないわよ!」と。
その一言に圧され、
慎一郎は、
大きさより可能な限りの高いクオリティのダイヤモンドを選んだ。
宝飾店の店主はほくほく顔。
ぽんと、
このクラスの石を買う彼もすごい、
と秋良は目を丸くする。
その場で併せて、
結婚指輪も頼んだ。
変哲のない、
かまぼこ型の、
内側にお互いの名前を彫り込むだけに留めたプレーンな指輪が自分達にはふさわしい、
と言う秋良の意向に、
慎一郎も異存はなかった。
あと数日で、
お互いの薬指にはめられる。
最初のコメントを投稿しよう!