ー 7 ー 慎一郎と 秋良の愛 #2

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「婚約指輪は男の甲斐性でしょ! うちの娘は安くないわよ!」と。  その一言に圧され、 慎一郎は、 大きさより可能な限りの高いクオリティのダイヤモンドを選んだ。 宝飾店の店主はほくほく顔。 ぽんと、 このクラスの石を買う彼もすごい、 と秋良は目を丸くする。  その場で併せて、 結婚指輪も頼んだ。 変哲のない、 かまぼこ型の、 内側にお互いの名前を彫り込むだけに留めたプレーンな指輪が自分達にはふさわしい、 と言う秋良の意向に、 慎一郎も異存はなかった。  あと数日で、 お互いの薬指にはめられる。  
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