ー 7 ー 慎一郎と 秋良の愛 #2

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 今はシートで囲まれているので何も見えないが、 彼を訪れて建物を見上げた過去、 確かに窓辺に立つ姿を何度か目撃した。 そんな素振りを微塵も見せず、 素っ気なく迎えられていた日々を思い出す。 「素直じゃないんですもの」  秋良は苦笑する。 「待っていたのなら、 もっと歓待して欲しかったですわ」 「だから、 今は隠さないだろう?」  机に軽く腰掛け、 ボトムのポケットに片手を入れてこちらをみる慎一郎に、 秋良はドキリとする。  この人は変わった、 と秋良は思った。  男の色香があるとしたら、 今のような何気ない仕草で感じる、 伝わるものだろうか。  会えば会う程、 見たことのない顔があるのに気づかされる。
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