第10話

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カクテルを取りに行っていてくれていた南ちゃんが戻ってきて、わたしの耳元でつぶやいた。 オオカミさんばかり見ていて、南ちゃんが近付いてきたのに気が付かなかった。 南ちゃんはこのお店にたまに出入りしている。 でも、オオカミさんのことはよく知らなかったみたいで、今日ついてきてくれた。 南ちゃんからカシスオレンジのグラスを受け取って、乾杯をする。 「うん、やっぱりあたし――オオカミさん? がDJしてる時来たことないと思う。うまいもん、けっこういいと思う。いつもの人の数倍いい」 そうなんだ……。
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