第10話

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キスだけじゃない、好きだって言われたのも名前で呼ばれたのも……この場所でだから。 ここは、嫌な思い出の場所から、始まりの場所に変わった……。 オオカミさんのおかげで……。 「結局思い出しちゃったよ、南ちゃん……」 「鼻血だけはださないでね」 「はな……って、そんなの、だすようなことまでは考えてないから!」 「そ? ならいいけど」 もう一度、ステージの上を見上げる。 こんなに遠く感じるのに……。 南ちゃんに言われて、急に胸がうずく。 駆け寄って、ステージの前に行って「来た」って言いたくなる。
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