第10話

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首を傾げて、どうした? と心の中で促すと、真っ赤な顔が恥ずかしそうにさらに紅くなる。 「キス、したくない気分ですか?」 おずおずと聞いてくる。 そんなはずはないのに。 わかりきったことなのに。 まだわからないのか……。 「自覚、持ちなよ」 オレを本気にさせたのは自分だろう? 小さな手の甲にそっと口づける。 ぴくっと動く赤ずきんの手を強く握る。 「オレだけ見てればいい。 まあ――ほかの男を見てる余裕なんてなくしてあげるよ」 「んっ……」 身体を引き寄せて、口づけをする。 何も考えられなくなるくらい、不安なんてなくなるくらい。 ――明日は平日だから、すこしは加減しないとだめか……。
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