第10話

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*――* 藍色の照明で落ち着いた雰囲気の店内は、星のようにキラキラと光るLEDライトが天井にちりばめられている。 天井のライトのことは今日まで知らなかった――。 今まで二回来たけど、二回とも天井を見上げる余裕なんてなかったから。 店の中に響く音に何人ものお客さんが支配されてる空間。 少し場違いなわたしは、人工的な空の下で一人だけを見ていた。 ――とくん、とくん……。 一日ぶりなのに、目の前にいることが嬉しくて、すこしだけ緊張してる胸の音。 きゅっと思わず両手を握りしめてしまう。 今朝、メールしたばかりなのに。
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