第10話

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――だから、この音に身体を委ねればいい。 流れるような仕草で動く手から目が離せない。 淡いスポットライトに照らされて光が反射するサングラスで隠れたオオカミさんの顏。 ――少しだけ、遠く感じる。 ――今、どんな顏をしているんですか? 気になって仕方がないけど、あのサングラスを外してほしいとは思わない。 また――あの顏をみんなの前に晒すのは絶対にやめてほしいから。 わたしだけが知っていたい顔だって、あるもん……。 ――あったって、いいですよね? 顔が見えないからオオカミさんだってこと疑いたくなるのに。
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