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第10話
その気持ちが強すぎて……。
自分を抑えきれない……ような気がする……。
おでこから伝わる温もりだけで充分嬉しいのに。
足りないの……。
じれったくて、我慢できなくて……。
わたしはそっと自分から唇を近付ける。
柔らかい感触と同時に、胸の奥が熱くなる。
軽く触れても、オオカミさんは反応してくれない。
何度も、唇を重ねる。
わたしだけの想いじゃないって知りたくて。
言葉もほしい。
でも、それよりも今は――オオカミさんの温もりがほしいんです……。
ゆっくりと、少しずつ深く口づけていく。
足りないってことが、伝わるように……。
その想いをこめて……。
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