第10話

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何も言えなくなったとき。 「巽―! お疲れー!  これね、なっちゃんの奢りだってー」 とたとたっと、ショートグラスを持ってきた蒼菜さんと哉人さん。 「ん、ありがと」 そのまま三人で乾杯して話し始める。 ――だめ、恥ずかしすぎる。 でも、恥かしいからってちゃんと返事もできない自分がいや……。 「完全に掌の上で転がってるね、あんた」 南ちゃんが苦笑いでわたしの顔を覗き込む。 「がんばんなよ、恋愛初心者に近いあんたには大変な相手かもだけど。 ベッドの方でもね、相手は上級者だから」
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