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何も言えなくなったとき。
「巽―! お疲れー! これね、なっちゃんの奢りだってー」
とたとたっと、ショートグラスを持ってきた蒼菜さんと哉人さん。
「ん、ありがと」
そのまま三人で乾杯して話し始める。
――だめ、恥ずかしすぎる。
でも、恥かしいからってちゃんと返事もできない自分がいや……。
「完全に掌の上で転がってるね、あんた」
南ちゃんが苦笑いでわたしの顔を覗き込む。
「がんばんなよ、恋愛初心者に近いあんたには大変な相手かもだけど。
ベッドの方でもね、相手は上級者だから」
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