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山切 望(やまぎり のぞむ)
それが俺のこの惑星、"地球"での名前だ。
言い方を少し間違えたかもしれない。
俺は別に尻尾のはえている、大猿になったり髪が金髪になったりする宇宙人というわけではないし、おかしな妄想癖があるわけでもない。
まぁ後者の方は本人が言っても説得力はないが。
ただ俺は他の惑星に行ったことがあるだけだ。
勿論、ただいま21世紀の現代で他の惑星にぽんぽん行けるような技術はない。
行けるとしても虫歯の治療してまで行きたくないし。あのドリルはいつか人を殺すだろうから絶対に行くもんか。
ではどうやって行ったのか。
簡単だ。魔法で呼び出されたんだ。
………大抵の人はここで馬鹿にするんだろうなぁ。
5年ほど前に俺は惑星"モレク"に勇者召喚された。
剣と魔法の世界で魔王を倒すために。
時間にして一年。
倒した後はすぐに強制送還されて"地球"に帰ってきた。
あと一年遅かったら中卒という学歴に絶望していたのだろうが運良く留年という形で在学でき、今じゃ立派な大学生だ。
……悲しき哉、己を立派と言ふことは
まぁそれはスルスルスル―しておいて、
今重要なのは、
目の前に勇者召喚の魔法陣があることだ。
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