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 会場を探す前に、少し休憩をとることにした。散々歩き続けてきたため足はじんじん痛んでいた。  近くのシートに腰掛けひと息つく。バスケットボールでもやっているのか、廊下にドン、ドンという大きな音が響き渡っている。ポイントが入ると若者達の歓声が聞こえて来る。歓声は大きく聞こえるが、拍手は少ない。観客はあまり入っていないようだ。  シートの横には掲示板が。町の催し物に関するニュースなどが貼られているが、中には指名手配犯や不審者の情報も。通り魔や誘拐、この辺りも穏やかではない。今の世の中、何処で何が起きても不思議はない。  足の痛みが少し和らいだところで、シートから立ち上がって会場を探し始めた。通路を歩き回っているのだが、なかなか会場と思しき部屋が見つからない。鞄から招待状を取り出して場所を確認してみると、探している部屋が3階にあることがわかった。  ため息をつき、今度は階段を探す。エレベーターは使わない。閉所恐怖症の俺にとって、あれほど恐ろしいものは他に無い。  手すりに掴まってゆっくりと階段を上がる。折角ひいてきた足の痛みがまた再燃する。先月30代の仲間入りをしたばかりだというのに、もう息が切れてしまった。会場を発見した頃にはフラフラだった。  3階には広間が3つあり、それぞれ今日の様にパーティーなどに使われているそうだ。入り口の横に、立派な字で母校の名が書かれた紙が貼られている。  彼等に会うのは何年ぶりだろう。何だか緊張する。おかしな話だ。扉の向こうにいるのは嘗て同じ教室で授業を受けていた同級生達。緊張する必要は無い。心を落ち着かせて、ゆっくりと扉を開けて会場に入った。
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