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 あまり良いことではないが、きっとヤツならまた鮮やかに事件を解決してくれる。迷った末、俺はアイツの要求の飲んだ。  必ず事件解決に?がる。そう信じて、俺はレコーダーのスイッチを入れた。  まず最初に向かったのは隣室、1032号室。いかにもセレブといった出で立ちのご夫人が出て来た。 「昨夜隣の部屋で殺人事件が発生しました。物音とか悲鳴とか、聞いてませんか?」 「殺人? あら嫌だ。ごめんなさい、残念だけど、ここは防音効果のある壁を使ってるの。だから音は聞こえなかったわ」  住民への聞き込みだけでは犯人を特定出来ない。あとは監視カメラか。  管理人室へ聞き込みに行った者達がやって来た。残念ながら、カメラをいじられていて犯人の姿が映っていなかったそうだ。 「先輩、どうします?」  一緒に聞き込みをした後輩、日下部が尋ねてきた。 「そうだな、本部の連絡を待つか」  今の俺の心は、他の捜査よりも、これから規律を破ることの不安感で満たされていた。  誰もいない場所を見つけると、俺はそこであの男の番号に電話をかけた。相手はすぐに応答した。 「俺だ。明日、例の物を持って行く」
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