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「それでは、また都合の良い日に」 「ええ良いわよ。そんな日があれば、の話だけどね! アタシはあなたよりも忙しいの!」  最後まで頭に来る女だったが、これで傷は1つつけられた。ここから慎重に崩してゆけば良い。その辺は俺よりも幡ヶ谷の方が適任か。それにしてもアイツ、いつになったら来るのだろう。こっちはもう終わってしまったのだが。  一応もう1度会釈してから、俺はスタジオから出て行った。すると俺の視界に、あの男の姿が飛び込んで来た。 「なるほど、では、以前からいざこざがあったと」 「ええ。詳しくは教えてくれませんでしたけどね」 「そうですか」  幡ヶ谷だ。幡ヶ谷が、見知らぬ男と一緒に聞き込みをしている。相手は若い女性。名札を付けているからここのスタッフだろう。  これがヤツの言う良案なのか? 刑事をもう1人雇ったということなのか?  向こうも俺に気づいた。ちらっと俺を見ると、口元に少しだけ笑みを浮かべ、再度女性に話しかけた。
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