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 小西が殺人を行う理由として最も考えられるのは、店の関係者といざこざがあったか、或いは通っていた家の主に悪さをされていたかのどちらかだ。しかし前者は小西が最終的に店を畳んでしまったため考えにくい。富豪の主人に文句を言われたりして、カッとなって殺害。後者の方があり得る話だ。 「よし。じゃあ調べてみようぜ」 「え? 何? 俺もやるの?」 「当然だろ。俺1人じゃ時間がかかるだろ」 「何だよ、お前には日下部っていう可愛い後輩がいるだろうよ」  残念ながら、今回は彼の助けは得られない。  日下部は3日前に風邪をひき、今は休んでいるのだ。本人は来る気満々だったが、無理をして悪化してしまったら危険だと言って俺が休ませた。 「偶には付き合ってくれよな」 「ははぁ、さてはお前、こっちか」  右手の甲を左の頬に当てて坂口が茶化す。 「馬鹿、違うよ。ほら始めるぞ」  ただ捜査をするわけじゃない。少しでも多くの情報を集めて、アイツの所に持って行く。それが俺の目的だ。  ひとまず小西の関係者をあたってみよう。坂口は料亭関係者をあたり、俺は小西を雇っていた家を探すことから始めた。
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