はずかしがりやのあの子

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「はずかしがりやの あの子」 はずかしがりやの あの子 はずかしがりやの あの子 あんまりにはずかしいものだから 広げた手のひらで めかくしをして この世界をブラックホールにかくします だから いつも 後ろの正面がだれだか知らないよ そうしているうち ほら あの子は からだに ちからを入れないふりをして どこにも あそこにも ないような笑顔で 笑っているよ 笑っているよ こわくって こわくって こわくって こわくって だから いつも 笑い声が変に大きいよ 小さな喉のスピーカーからもれた 大きな笑い声が広がっていく それで ついつい 僕らが驚いて 世界が静かになっちゃうものだから ほら ついに あの子はどこかへ あわてて かくれてしまったよ あわてて かくれてしまったよ
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