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どれほどの兵を失っただろう。
死んでいった者たちにも家族がある、これからの人生があった。
しかし、この尊い戦争という闘いで全てを失う者たちが何百、何千人といる。
一国を収める将として見過ごせはない。
だが戦争へは犠牲は付き物。
それは言い訳ではなく列記とした事実である。
燃え盛る大地の上を一匹の馬が駆け抜ける。
それを跨ぐは背の低い青年。
顔はきりっとしており、目は真剣。長い髪を結んでいる。
横へもう一匹の馬が現れ並走し、上に跨る男が言う。
男「ソウイ様!西の軍勢より報告です!!敵軍の軍師、シャトラが戦場に姿を現しました!」
ソウイと呼ばれた男も答える。
ソウイ「それは誠か!ならば我ら中衛隊でシャトラを一網打尽だ!」
男「わかりました!お前らァ!!このまま直進だァァ!シャトラを討ち取るぞ!」
男は後ろの馬達にそう言うと血相を変えて前を睨んだ。
ソウイと呼ばれたのは、
この国、慈庵を纏める一人の名のある将軍である。
まだ若くし、当時将軍だった父を戦争で失い現在の地位へつく。
そして、今戦争をしている敵軍の将軍は 餓鬼(ガキ)と言う名で、数年前ソウイの父 角威を討ち殺した張本人である。
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