第1章

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「はぁぁ」 冬の朝の空は真っ青で吸い込まれそうで好き。 その空で白く引き立つ下弦の月。 「ほら、欠けていくのになぁ」 ホテルに男を置き去りにして、街に出たらまだこの町は静かで私のブーツの音がやけに大きく響いた。 だからわざと大きな音が出るように歩いて自分がここにいるよってアピールする。 大好きな地元を離れてこの中途半端な都会を選んだのは 誰にも私のことを知られたくないから。 でも、都会の空気には慣れなくて 時間が止まった私と同じ中途半端なここに住み着いた。
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