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私は会社を後にし、その足で夕飯の買い出しに行く。
何を買っていいのかわからず、とりあえず大量に買い込む。
買い物袋を両手いっぱいに持ち、よろけながら街中を歩く。
ーーこれは何かの罰ゲーム?
小公女にでもなった気分だ。
すると、馴染みだったホームレスのおじさんとすれ違う。
「おぉ~翔子ちゃん。仕事見つかったのかい?」
「あははぁ~。おかげさまで」
かなりの苦笑いで答える私。
「やっぱり翔子ちゃんはホームレスより働いてる方が似合ってるよ」
「……拷問ですけどね」
「ははッ。がんばれー!」
明るく去っていくおじさん。
お願いだから私も連れてってほしいと切に願った……。
* * * *
そしてその夜、私は四苦八苦しながら家事を必死にこなしていた。
しかし、なぜか部屋がどうにもならないくらいの散らかり様……。
なんでこうなるんだ?
考え込む私。
時計の針が10時を指した時、玄関からガチャガチャと音がした。
「ただいま」
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