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大志が帰って来た。
疲れた様子でリビングのドアを開ける。
と、大志は散々な部屋の様子にコケる。
「おかえりなさい♪」
私もアフロヘアになってキッチンから登場する。
「泥棒でも入ったのか、この家は!?(汗)」
「申し訳ないです……。片付けてるはずがなぜかこんなことに……」
「キミはいつの間に変身したんだ?」
「夜ご飯に失敗したわかりやすい変身です」
私は両手を広げ、開き直る。
大志は頭を抱える。
「残念ながら付き合いで夜は済ませた」
「えッ!? だって」
「私が頼んだのは夜食だ。夜中に仕事するから」
ーーガーンッ!
それならそうと、わかりやすく言っといてよぉ~。
完全に無駄な労力だったじゃん……。
「それとこれッ!!」
大志はお弁当箱を差し出す。
ーーギクッ。
私は青ざめ、汗が一筋流れる。
「胃は大丈夫でしたか?」
「私はもっと薄味が好みだ」
「え?」
「食事は体に一番大事なものだ。ちゃんと勉強しなさい」
そう言って私にお弁当箱をポンと渡す。
「食べられたんですかッ!?」
「食べたよ」
ーーウソ……。
ゲテモノに近いあのお弁当を?
私はちょっと感激する。
「まぁ美味かったよ。
……チャーハン定食は」
大志は舌を出して部屋を後にする。
「……」
ーーは?
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