115人が本棚に入れています
本棚に追加
「えぇ、ようやく。明日、朝起きたら同じことになってるかもしれませんけどね」
眉をピクピクさせながら嫌味混じりに言う。
「俺は構わないよ。キミの仕事が増えるだけだから」
ーーカッチーーン!!
「家事は苦手なもんで」
「今までしてなかっただけだろう」
「わかっててどうして雇ったんですか?」
「急に家政婦が辞めてね」
大志は資料に目を通しながらしら~と言う。
「そういう意味じゃなくてね」
怒りで言葉が震える。
「キミこそなぜホームレスに?」
大志は興味の目で翔子を見る。
ーーん?
なんでこの人がそのこと知ってるの?
ってか犯人はアイツしかいないじゃないか……。
あのやろう……(怒)
「薫めぇー」
「有能な秘書がホームレスに転落するなんて興味深い」
「リストラされて家賃が払えなくなった。それだけです」
「そうかな? キミは頭が良いでしょう?」
「家事もできない、ダメ女ですよ」
そう言い捨て、私は部屋を出ようとする。
ドアノブに手をかけ、立ち止まる。
「一つ聞いていいですか?」
大志は「ん?」という表情で私を見る。
最初のコメントを投稿しよう!