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「お前いつから誘い上手になったんだよ…」
「?」
「…無自覚か。」
目をぱちくりとさせる立川は計算でやっているようには見えなくて。
「本当そういうとこ…」
そう言うと何か悪いことを言われると思ったのか耳を垂れさせて上目遣いで見つめてくる。
「……好きだ」
耳にボソ、と呟くと亮は耳をピンと立たせて顔を真っ赤にする。
俺が立川の頬に手を添えると立川は長いまつげを伏せる。
俺の唇は立川の唇へと徐々に近づいていった。
ードクン ドクン
あともう少し……
ーpipipipipipipipi…
「……ん…」
大音量のアラームが部屋に響き、俺は目を覚ました。
「…………」
今のは夢、か…立川は…?
「…寝てるか。」
ぐっすりと寝ている(狸寝入りだということを知らない)立川を見てため息をつく。
もう少しだけ見ていたかった。
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