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俺は仕事へ行くために着替えることにした。ネクタイをはずし、ワイシャツのボタンを開ける。
胸元に入っているタバコが目に入り、そこで吸おうと一本取り出したが側で寝ているやつの顔を見てやめた。
煙草を机におき、スーツに着替え終わると俺は立川が起きた時の為のメモを書くため机に向かった。
メモを書き終えると俺はベッドに近づいて立川の顔を覗き込んだ。
白い肌に長いまつげ、ピンク色の薄い唇のそいつは寝息を立てて寝ている。
俺は立川の頭に自然に手を伸ばしていた。
クシャクシャと髪を撫で、前髪をかあげると綺麗な額を唇でそっと確かめるように口付けた。
口づけをしてからおもった。
クソ恥ずかしい。
両手で自分の顔を覆って、顔から火のようにふく熱を冷まそうとしたが出来なかった。
そしてまた立川に視線を移す。
心なしかさっきより立川は顔が赤いような気がする。そんな立川の頭をそっと撫でた。
この時自分がいかに優しい顔をしていたか本人は知らない。
このまま仕事休みてぇな、なんて思いながら立ち上がって立川が1人で寝ている部屋を後にした。
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