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ハンバーグ!?
その単語を聞いた途端僕のテンションは急上昇。多分、今僕の目はとてもキラキラしているだろう。
ハンバーグといえば…あれだ!そう挽肉!!
丁度、30mほど先にいつもお肉を買うお肉屋さんが見えた。
「僕、挽肉欲しいって言ってくるね!」
そう言って僕は2人と繋いだ手を解きお肉屋さんに向かって駆け出した。
走り出したのも束の間、僕の後ろで聞いたことのない衝突音が聞こえた。
え?
振り返った僕の目に映ったのは、父さんや母さんの姿では無く、民家に突っ込んだトラックだった。
「…ぇ……ぃぁ…………………。ぃやだぁぁぁあああ"あ"あ"あ"!!とぉさぁぁん!かぁさぁぁぁん!!!」
僕はトラックに向かって走った。
たいして離れてなかった距離は直ぐに無くなった。だが、肝心の父さんと母さんの姿が見当たらない。
トラックをぐるりと周るがいない。
となれば後は見えていない民家とトラックの間…
頭では分かっているのに認めたくない。
「どこぉ…どこなのぉ…。」
辺りを見ると野次馬達が集まっていた。ヒソヒソと話し合う主婦、携帯のカメラを向ける学生達。
それを見ても怒りすら沸かなかった。
沸く余裕がなかった。
「返事…し……てよ…。」
ふらふらとした足取りでそれでも僕は2人の無事を祈って探した。
「きみっ!引火するかもしれない!!危ないから下がって!!」
急に感じる浮遊感。
「いやだぁぁ!やめてよ!!とぉさんがっ!!かぁさんがぁぁぁ!!!」
暴れる僕を抑えるのは大変だったろう。僕を抱えトラックから引き離した青年は顔を歪めながらも僕を抑え続けた。
こうして僕は両親を失い、顔も見たことない親戚の家に引き取られる事になった。
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