3人が本棚に入れています
本棚に追加
「……美鈴さん。いきなり突き飛ばすのはやめて下さいって前に言ったと思いますけど…」
打ち付けた鼻をさすりながら僕は立ち上がった。
鼻…曲がってない…よね?何これめっちゃ痛いんだけど。
「いやーごめんごめん。蜂くんが泣きそうな顔してたら元気付けようと思って!」
ごめんと言いつつも全然反省してない素振りの彼女は田中美鈴。
髪は茶髪でセミロング、一般の女性よりも四肢に筋肉があり、引き締まっている。
「泣きそうな顔なんてしてませんよ…。
それより美鈴さんは勉強しなくて大丈夫なんですか?今…テスト前でしょ?」
「うっ、蜂くん相変わらず鋭いね…。でも私には空手があるから大丈夫!
テストの点が多少悪くても全国2位の肩書きでカバーよ!」
確かに美鈴さんの空手の実力は凄い。前に一度正拳突きを見せてもらったけど、拳が消えた。
本人が言った通り多少勉強が出来ないくらいならカバーできる実力はある。ただ…
「多少…?5教科の合計点が8点っていうのは、僕は多少とは言わないと思うけど。」
「ふぐぅっ!」
「前回のテストの結果…叔母さんは知ってるのかなぁ…」
「いや!それはっ!!」
「まぁ僕がさっきチクったけどね。」
「え!?」
「叔母さん怖かったなぁ。そういえば美鈴さんを見つけたら呼んでって言われてたんだった。
おばさぁーーん!!」
「ひゃぁあああ!!!」
「なーんて、嘘だよ。叔母さんも買い物に行ったし。」
あれ?どこ行った?
辺りを見渡すがどこにもいない。
…逃げたか。
最初のコメントを投稿しよう!