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少し調子に乗り過ぎたかもしれない。
まぁ、晩御飯の後にでも謝罪ついでに勉強を教えてあげよう。
幼稚園児に勉強を教えてもらう中学生もどうかと思うけど…。
とりあえず、晩御飯まで僕は僕の勉強をしようかな…。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「晩御飯の時間だぞー!」
ポンと頭に大きな手が乗せられた。
振り返ったら叔父さんのニコニコした顔があった。
勉強に集中するあまり、叔父さんの帰ったことすら気付いてなかった。
「すいませんっ!おかえりなさい。今日もお仕事お疲れ様でした!」
叔父さんは謝る僕の頭を豪快に撫でた。
「ハハッ、蜂くんも勉強ご苦労様!ただ根を詰め過ぎるのも良くないぞ。息抜きも大事だからね!」
「はい。心掛けます!」
「そんなに固くならなくてもいいのに…。さぁ行こうか」
叔父さんはそう言いながら溜息を一つ吐き、僕を食卓に行くように促した。
「いただきます。」
今日の献立は、白米、味噌汁、ハンバーグ、サラダ。
そうハンバーグである。
僕の大好きなハンバーグ。
この家に来て初めてのハンバーグ!!
「あら?蜂助くんもしかしてハンバーグ苦手なの?」
叔母さんの言葉にハッとする。
どうやら僕はハンバーグを凝視したまま固まっていたらしい。
「いえっ!大好きです!いただきます!!」
二度目のいただきますを言い、僕はハンバーグを頬張った。
それを見て叔父さんも叔母さんもニコニコ微笑んでいる。
美鈴さんは気配を消しながら黙々と食べている。前回のテストの点がバレていると思っているのか随分大人しい。言ってないのに…
それよりも、なんかこのハンバーグ変な味が…
あ…れ…なんだか眠…たく…
「ん?蜂くん…どうしたの?」
「な…んか…ねむ……」
「あ、そうそう。あなた…今日は蜂助くんから御両親の通帳預かったから。」
「あ?なんだよ…じゃあもう気を使う必要ねぇじゃねぇか。」
「蜂くん!!」
美鈴さんの叫び声と同時に僕は意識を失った。
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