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目が覚めたのは次の日の朝だった。
頭から水を掛けられたのは、覚めたというより起こされたと言う方が正しいか。
僕は両手を上げた状態で縛られ吊るされていた。
「おはよう。素敵な朝ね。」
顔を上げると目覚める原因となったバケツを持った叔母さんがいた。
「どういう…ことですか…。…ここはどこですか?」
「ここ?ここは家の裏の蔵よ。中からどれだけ声を出しても外には聞こえないから叫んでも無駄よ」
叔母さんは今まで見せてきた優しい笑顔がまるで嘘のように、醜く…わらった。
「な、なんで……なんでこんなことするんですか!」
「なんでって…。もう何が目的か予想ついてるんじゃないの?折角賢く産んでもらったんだからもっと頭使いなさいよ」
そして僕は思い出した。叔母さんの豹変振りを、豹変したキッカケを。
「お金…ですか?」
「そう!正解」
答えると同時に叔母さんは僕の髪を鷲掴みにし、無理矢理視線を合わさせた。
「あなたには感謝してるわよ?なんたって大金を運んでくれたんだから…。それで、この後あなたをどうしようか考えたの。確かに大金は手に入ったけど、まだ遊んで暮らすには足りないし」
髪の毛を掴んだ手は力強く、ブチブチと頭から鳴る音と痛みに顔を顰める。
恐怖が膨らみ歯がカタカタと音をたてる。
「これからもあなたにはいっぱい稼いでもらわなきゃ」
ギギッ…と蔵の入り口のドアが開いた。
大柄な人影が見える。見知らぬ男。
その男はドアを閉め、こちらに向かってきた。
「あら、もうそんな時間?」
「ゲヘッ、楽しみ過ぎて予定より早く来ちゃいました。」
男はそう言うと僕を舐め回すように見てきた。
「た、助け…」
「オホッ、追加料金払うんで今すぐ味わっちゃっていいですか!?」
男は涎を垂らしながら両手で僕の服を引きちぎった。
「…せっかちねぇ。じゃあ私は外に居るから終わったらに呼びなさいよ。」
叔母さんはそう言ってドアを潜り、ドアを締めると鍵をかけた。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
「誰かっ!!助けッ…!」
「高い金払ってんだ。満足させてくれよぉ!ヒャハハ!!!」
無情にも僕の叫びが届くことはなかった。
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