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第39話 デイン兵
レトに会い、2日が経った頃のこと。森を抜けるまでもう少しだがだんだん肌寒くなってきていた
森からでも見えるくらいおっきな雪山のせいなのだろうか
ユキ「もう少ししたら出れます。もう一踏ん張りですよ」
アリス「そうね~。」
軽い返事をしながらアッシュを見ると肌が青白い……
息苦しいのか呼吸が早く、そっぽを向いたまま歩いていた
アッシュ「………ふぅ……」
ノア「ホント大丈夫っスか? すごく疲れてる様子っスけど……」
アッシュ「ん? あぁ、大丈夫だよ。
でも、強いて言うなら最近見られてるみたいだからさ。ちょっと気になって……」
エド「見られている? 誰に?」
エドの問いに答えようと振り返るとハッと目を見開き、叫ぶ
アッシュ「っ!! みんな、走って!!」
ユキ「どうしました?」
アッシュ「数は少ないけど兵士だ!! 早く!!」
アリス「みんな、走るわよ!!」
アッシュの後にアリスが叫ぶとみんな一気に走り出す
後ろを振り向くと遠くだが人影が見える
数は四人程度。これなら普通に勝てる気がするが……
エド「おい!!何 故走らなければならんのだ!?」
アッシュ「レトや今僕らは魔法が使えない。それに対して向こうは使えるんだよ!
戦闘は避けた方が賢明なのさ!!」
ノア「んな、反則っスよ!!」
確かに。数は多くてもベテランな魔法使いなら数が多くとも勝つ事もある。しかも今回は厄介なことにみんな魔法が使えない
この森には魔法を無効化する力がある為だ
だからこそ禁忌の森と呼ばれている
ユキ「でも、何故向こうは魔法が……っ!? 」
ノア「どうした?
っ!?」
前を走っていたユキとノアが二人とも止まる。
今は止まっている暇なんかないのに……!!
アッシュ「何止まってるのさ!?」
ノア「か、体が動かねぇ……っ」
ユキ「くっ……」
二人を動かすためにリリィが突っ走り、二人を殴ろうと行く
リリィ「早く動け!!(怒) 斬り刻まれたいのか!? っ!?」
アリス「リリィ?」
リリィ「………っ」
リリィまでもピタッと止まり、無理矢理にでも動こうと顔が歪む。
まさかと思い三人の元に近寄ろうとしたが、ノアは拳を振り上げ攻撃を仕掛けてきた
ノア「体が勝手に……っ」
エド「おい、ノア――っ!!」
ユキ「す、すいません……」
攻撃をユキもしてくる。大鎌を生成して防御したがさすがは悪魔、いなすのが精一杯だ
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