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第41話 誇り
ようやくテントから出てきたアッシュはあくびをしながらアリスの元へ
アッシュ「アリス~」
アリス「何?」
アッシュ「はい。これ
これ持ってたら此処でも魔法使えるよ」
そう言って渡したのは板のようなモノに術式が書かれたもの。
振ったり叩いたりしていろいろと確かめ始める
アリス「これどうしたの?」
アッシュ「昨日デイン兵から奪った
僕はほとんど魔力がないしノアやユキ、リリィは魔法得意じゃないし
エドはいらないってさ」
何でいらないって言われたかはわからないけど……
戦いに支障がでないならいっか
アリス「わかった、ありがとう」
アッシュ「どーも♪」
板を懐にしまいながらふと、アッシュの頭に包帯が着いていることに気付く。
手を伸ばして軽く包帯に触れる
アリス「ってあんたその頭の包帯は?」
アッシュ「ん?あぁ、まだ少し血が出てたらしくてさ。エドが巻いてくれたんだ」
アリス「治りが遅いの?」
アッシュ「そうみたい(苦笑)
森を出たらたぶん大丈夫かなって思ってるけどね」
アリス「菌が入ってくたばったら剥製にしてあげるから安心しなさいww」
アッシュ「いや、安心できないんですけど……(苦笑)」
頬を掻きながら話すアッシュとニヤニヤしながら話すアリスの後ろ姿をジーっとノアは見ていた
ノア「………」
最近、師匠は無理をしてるみたいだな……
俺に出来ることねェかな……
そう思い、″よしっ″と気合いを入れてアリスが離れたのを見計らい、走って近寄る
急にノアが走ってきてアッシュは少し驚く
アッシュ「どうしたの?」
ノア「あとで荷物俺が持ちますッスよ! 」
アッシュ「いいよ、大丈夫だから」
ノア「じゃあ喉渇いてないっスか?」
アッシュ「大丈夫だよ。さっき飲んだから」
ノア「じ、じゃあお腹は空いていないっスか?」
アッシュ「今のところ大丈夫だよ
てか、ユキがもう作ってくれてるからそれまで待つつもりさ」
ノア「そ、そうっスか……」
空振り三振、アウト!!
気を沈めてしまったノアに″あ……″と一瞬思いながらも表情はニコニコ笑ったまま頭を撫でる
アッシュ「気をつかってくれてありがとう
でも大丈夫だからさ。心配しないで」
ノア「……でも……俺……師匠を……」
操られていたとは云え、加減もなく攻撃を仕掛けてしまいそれが今もまだ残っている頭の傷。
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