第41話 誇り

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アッシュの後ろ姿を見送った後、ため息をついて座り込む エド「どうした?」 ノア「いや、何も……」 エド「……何もないならいいが…… あ、そろそろ食事だ。今回の水汲み頼むぞ」 ノア「あぁ……んじゃ、行ってくる」 エド「レトはそこでおとなしくしてろ」 レト「は、はい」 歩いて少しのところにユキが見付けた川がある。水を汲んでついでに顔も洗おう…… こんな顔じゃ、また師匠が辛そうな表情をしてしまうから ノア「……はぁ……」 グレン「えらい重いため息だな」 ノア「うわぉ!?Σだ、誰だ!?」 グレン「私か? ″またまた″此所で休憩していただけだ。悪いか?」 ノア「い、いや、別に……(苦笑)」 まぁ、自分達だけが旅人って訳じゃないし、川があれば休む奴もいるか…… デイン兵のせいで他人に敏感になりすぎたのか…… グレン「(監視も楽じゃないな……。これは)」 露骨に嫌そうにしながら書き物をくるめてしまう。グレンの場合、監視ついでに報告書を書いていた、と云うだけ 分かりやすいくらいオロオロするノアに呆れながら立ち上がる グレン「そんなに目障りなら消えるが?」 ノア「ん、んなこと言って…ってあれ?」 言ってない、と言おうと顔をあげるとさっきまでいたのに居なくなっていた。 気配も顔をあげるまであった。それは感じ取れていたのにいつの間にか本当に消えてしまうなんて…… アッシュ「どうかしたの?」 ノア「どぅわぁ!?Σ」 アッシュ「そ、そんなに驚かなくても(苦笑)」 急に出てきたらそりゃあビックリもする。そしてビビったのは今日で二回目だ ある意味恥ずかしい…… アッシュ「……さっき誰かと話してたの?」 ノア「え?あぁ、はい。もういないっスけど、たぶん俺らと同じ旅人と」 アッシュ「………?」 首を傾げている師匠。 人が来るのをすぐに気付くし、いたと言って首を傾げられるなんてない も、もしかしてあれってゆ、幽霊!?Σ(泣) ノア「い、いいや!!やっぱ独り言ッス!! 独り言ッスから気にしないでくださいッス!!」 アッシュ「独り言……?」 ノア「は、はいぃ……(苦笑)」 アッシュ「……そっか。ならいいよ」 下手したら変なやつって思われてないかと不安になるけど幽霊って疑惑を紛らわせないといろいろと怖い……(苦笑)
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