第42話 苦しみ

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そこにはアッシュが木の根元で踞っていた アッシュ「………っ う……っ く……はぁっ……」 耳を傾けていると苦しんでいる声がした。私達が寝ようとしたときにずっと此所で耐えていたのか……? アリス「私達が寝たあと離れたところで痛みを耐えてたみたいよ」 エド「痣が痛むのか?」 アリス「そうだと思うわ」 悟りをずっとOFFになっていたから気付かなかったらしいがあの様子だと出る前にアッシュの心を悟ったのだろう エド「……アッシュは私に任せろ お前は寝ていた方がいい。寝不足で朝起きなかったら困るからな」 アリス「一人でも大丈夫?」 エド「あぁ」 アリス「じゃあ、任せたわよ」 エドの肩を叩いてからアリスは宿へと戻った 任せろとは言ったがどうしようもないかも知れない。何も出来ないかもしれない だが、しないよりはマシだ 妙な緊張を圧(オシ)し殺してアッシュの元へ エド「大丈夫か?」 アッシュ「エ……ド……?」 ビクッと肩が動いて此方をゆっくり振り向く 青ざめた顔は月の光でも分かるくらい。すごく辛そう…… エド「また痣が痛むのか?」 アッシュ「たま、に……二・三日……続くんだ……」 エド「……何をしたら痣が痛むのだ? 前は言わなかったがそろそろ話せ」 アッシュ「………人を……殺した…と、き…… うっ!……ぐ……はぁっ……ぁ……」 エド「おい!!」 フラッと横に倒れ掛けてたのを支える。体は冷たくて氷のようで…… 肩に掛けていた肩掛けをアッシュにくるませる アッシュ「……悟りで……かの……じょ、は大分……まえ、から知って……た……みたいだよ……」 エド「彼女?」 いや、たぶんアリスの事か アッシュ「りゆ…う…は話さなかっ……た、けど…… 殺すこと……絶対にダメ……って……言われた、とき、は……ビックリ……したけど、ね……っ」 確信はなかったのだろう。きっと間違えていたとしてもこれ以上傷付かないように……と…… アッシュ「ホント……ごめ、んね…… うっ!!」 エド「っ!! ちょっ!?」 ギュッとまるですがるようにしがみついて痛みに耐えながら声を出さないように口を押さえていた
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