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「……きなの、――くんのこと」
「……林(ハヤシ)さん」
告白だ!
何だってこんな場所で告白してるんだ……と思いながらも、つい息を潜めて聞いてしまう。
「まだ会って間もないのにって思うかもしれないけど……、好きになっちゃったの」
告白しているのは女の子のようで、緊張感が声からも伝わってくる。
同じ女子として「頑張れ!」と応援したくなり、思わず手をギュッと握った。
けれど彼女の想いも私の応援も届かなかったのか、相手の答えは「ごめん」だった。
「……やっぱり……ウワサは本当なのね」
「ウワサ?」
「好きな人……いるんでしょ?藤崎くん」
藤崎と聞いて私は隠れていた場所から少し顔を覗かせて2人を探した。
―――……いた、藤崎ソラ、王子様だ。
倉庫のダンボールに隠れるようにして向かい合っている王子様と、林さんと呼ばれた女の子。
王子様はうつ向いてしまった彼女の頭にポンと手を乗せた……。
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