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今までの出来事を整理出来ないまま、投げ渡された鞄を抱き抱えてポーッと従業員の駐車場まで歩く。
1歩1歩歩くうちに段々と頭が冴え、フツフツと怒りが込み上げてきた。
かなり先を歩く王子様の背中を見て怒りが爆発し、私は全力で彼を追いかけていた。
「――ちょっと待ちなさいっ!」
「あ?」
私の声に振り返った王子様は不機嫌丸出しの表情。
でも、私の怒りはそんなことくらいでは治まらない。
「あんたね、自分の聞かれちゃマズい事を聞かれたからって逆ギレっておかしくない!?」
「は?」
「そもそもあんたは私より年下でしょ?口の利き方に気をつけなさいよ。同じモール内で働いてるんだからもう少し色んな事に気をつけることねっ!」
そう捲し立てた私に、眉を寄せた王子様がこっちに向かって1歩踏み出してきたので、慌てて自分の車に飛び乗りエンジンをかける。
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