第1章【森下姫奈と王子様】

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もちろん辛いことも沢山あるけれど、それこそ“仕事に生きてきた”ら……、もう20代崖っぷち。 あと数日で「こんにちは30代」だ。 付き合っている男もいない30女って……どうなんでしょう……? 今は珍しいことじゃないよね? と、自分に言い聞かせて、変わらぬ毎日を過ごしていた。 「店長、事務局から電話です」 「はーい」 電話を代わると、来月入る新聞折り込み広告に載せる内容について相談がある、との事だった。 セール中なので出来れば店にいたいけれど、こればかりは仕方がないのでスタッフの休憩と重なる前に……と思い、足早に事務局へと向かう。 店舗と店舗の間からバックヤードへ抜け中を進んで行くと、事務局へ向かうまでの間に、何人もの従業員さんとすれ違った。 その度に「お疲れさまです」と笑顔で挨拶。
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