第20章【カフェプリ】

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「片付け終わったよ」 「ん、そろそろ準備するか」 「はーい」 今日は閉店したこの店でパーティーがあるのだ。 パーティーと言っても、身内で行うホームパーティーの延長のようなもので……、 「こんばんは」 「あ、栞さんいらっしゃい」 ドアベルを遠慮がちに鳴らして顔を出したのは、王子のお兄さんのお嫁さんである栞さん。 簡単に言ったら王子の幼なじみで、過去に色々あったけど乗り越えた相手。 「ほんとに私たちはお菓子だけで良かったんですか?」 「大丈夫!なんたってスポンサーが凄いですから」 そう言いながら、栞さんの腕に抱かれた赤ちゃんの頭に手を伸ばす。 半年前に産まれた海斗(カイト)くんは、栞さんが「男の子が産まれたら絶対に付けたい!」と言っていた名前。 王子のお兄さんが“大地”で王子が“ソラ”だから、“海”を入れたかったと言っていた。
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